はととからす

きょう、はとの死体をからすが食べているのを見た。
アスファルトの上に灰色のぼさぼさは落ちていて、ところどころピンク色の肉がはみ出ていた。
周りに白い綿のような羽屑が落ちていて、脚が片方もげ落ちていた。
黒いからすは、試すように突いては引っ張り、周りを見渡し。を、繰り返していた。

昔、鴨川のはとの群れは、からすの鳴き声がすると、すぐに皆して逃げたものだった。
はとはからすが怖いのだ、と思っていたが、今では同じ場所にいることも多くなっていた。
からすがはとを食うことを、実感したことがなかった。
だから、驚いた。からすははとを食うんだ。
食われたはとは、あんなふうになるんだ。食うからすは、あんな様子なんだ。
まじまじと立ち止まって見てしまいそうになった。
だけど、自転車にのって移動していたから、脇目に見て、ふぅん、と思って、去った。
命をとる、ということと結びつけて考えてみたが、どうにも、そんなにことは単純ではないようだ。ふぅん。