2020-01-01から1年間の記事一覧

不眠

繭にころも 揚げると 塩ふる 凝る 殻 か

ヘミスフィア

連携せない骨組み 振り返るときの吃音 無地を塗るために重ねるため 話す話す。 連携せない骨組みの 膝に膝 室外機 無心でねがう。はなす。 水面の 振り子の 月面の 満ち欠けの 揺らぎに 静けさを

わたしは寡軍

わたしは寡軍 曲がりくねった坂道を 駆け下りる馬 鉄を流す溝 青い土が水晶のように 光沢をます まい上がる煙に 惜別の蓋をする わたしは寡兵 軍に配属されたのち 土をこねる仕事についた ぬめる褐色が思い出させる 荒野の戦場 あの馬の毛並み 降り積もった…

レガシィを捨てろ

愛は悲しみに近い そこにいて歌うのは鳥じゃなく 血の底に潜るもぐらだよと とくに紛れて土を掘るのはシャベルだけでねえかと そう思うんです 不満を捨てろ、土を洗い流せ 白が何もない証なら 青を流して立ち去った どこへ どこかへ もう少しで思い出せたこ…

あいはかなしみにちかい

ぬすびと おむすび むすぶひと えんがわ にぎる まがるひと

ひしゃげた自転車のフレームが 太陽光線を曲げて 夏草の露がきらめくそんなとき 決まって思い出すのはあのひと かけがえのないときをともに過ごす どうしようもないことを振り返ってなげく まちがえてもいないことを深く悔いたり ときにはその深海で明かりも…