復元が連なる
ただものでないように思う
呼吸を慎重にする
曲がる空を目で追い、指でなぞり、
手を叩いて濁す。
中空に舞う埃もある。
世界で最も無音の部屋では1時間も耐えられないうちに、幻聴がして幻覚が見える。
立ち上がるときに感じるのは足の裏だけじゃないし、
月のクレーターの向こうに見えるのは塗り潰された絵の具じゃない。
曲がる路面を走る車の光を目で追い続ける。
中空を曲げて輝く星の光を目で追い続ける。
手を叩く。
暗い木目に積もった埃が一瞬立ち上がる。
目で追い続ける。
真っ直ぐ生きる人のことを思う。
ありがとう、さいなら。
ありがとう。本当に、さいなら。