サフランライス
ファブリケ
やかる、たまる
確かめ合う、見抜き合う
不気味さを共有する
顔を見合わせ、すぐに目を離す
古い古い歌をぼうやり、思い出していた、
夕方のお墓の、横の長椅子で並んで
とくに何も話さないで
とくに何もは話せないで
少しずつずれていく赤い日差しが、何か無性に羨ましくて
かるきぬき?
知らず知らず止めていた息が苦しくなる
いっそどうにでもなれ、とそのまま黙り込む
ちらつく光が知らない間にヘッドライトに変わり
頰を掠めて走り去る
削られていく寂しさに
ゆううつも少しずつ掠め取られて
自分のものはもう何もない
繰り返し歌われた歌はその像を硬くして
本当の姿はもう失われた
石の鞘になってまで、何を守る?
頑なになってまで何を見ていたい?
走り去る時間には何が映されていた?
また気が向いたら教えて欲しいよ
あのときを、もう、まだ、ずっと待ってる