不安という鳥

毎日を過ごしていると、ふと自分が、解決しようのない困難を忘れて、ただ逃避することで幸せに生きている、と思うことがある。
自分はいつか死ぬ。親は老いる。愛人は離れる。友人もまた同じ。
人との関係はずいぶん綱渡りのようで、またその綱とてすぐ切れてしまう。
決まって夜眠れず、頭のなかで不吉な考えががぐるぐる回る。


不安という鳥が体を啄むのだ。

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鳥は川縁にいるのを一番よく見る。
大学への通学路に、少しばかり名のある一級河川がある。
鳩から、鷺から、鴨やら烏やら、かと言って俗っぽい鳥ばかりでなく、ときにはカワセミでさえ姿を見せる。

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PM 15:11ごろ。
何匹か、大きな鳥が、頭上、曇り空をぐるぐると旋回している。

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