点る

明かりが点る

振り返った家の

玄関の灯りに

見上げた群青の空

背景にした街灯に

靴の裏で叩いた地面の

潰された

投げ捨てられた叫び声

息苦しさから

抜け出す夜

手探りで引きずって

這い出るのは

一体何の姿だろうか

 

忘れて欲しい

情けない姿を

触らないで欲しい

汚れた肌を

 

教室の隅に追われて

僕が次に話す言葉は

 

滲み出た涙だけ

まだ少し澄んでたって

思ってくれたら

 

口の縁から溢れて

油の染んだ木の床に

点る

 

それは

おまえの

言葉だ