モックアップ

裏切り者に囲まれて、遠くの青い空を一瞬仰ぐ。
赤茶けた砂が風に俟って、フゥと一息ついた。
機械でできた右腕を振り翳して裁判のようにガツン、ガツン!
桜の花びらがばっと舞う。


彼はモックアップに過ぎない。
夜が、朝が、太陽が、星が、頭上を回り続ける中で、自らの存在意義であるとか価値とか、そういったことをじっと考えていたよ。
そうして出た答えはただの一つもなかったのにね。
みんなはからからになった落ち葉を集めて交換し合ってたね。