水辺の歌

水辺のうた。

春の空。天球のドームは膜で覆われたように、薄く白く、そしてその奥に穏やかな青空。わた雲。
新緑は対照的にあざやかで、しかし同じように穏やかで、ふうわりと光をたたえている。
シロツメクサの野はらに腰をおろした。
水辺には、つくしがぽこぽこ、ぽこぽこ。
あたたかな日差しを浴びて、いつの間にか眠ってしまった。
ゆめのなかでうたをきいた。水辺の泡沫にて。
小鳥がさえずる。遠くの丘から、ラバの群れがやってくる。
もう少し行こう。あの一本の木の向こうまで。
あの町が見えるかな。