砂色の景色

空が砂の色で、町も砂の色だ。
耳が聞こえない?


川も砂の色だったし、感触さえわからない。
酷くかたいアスファルトに足を擦り付けて、立ちつけた。立ち尽くした?


空が、砂の色だ。
流れる雲に乱れる雲、大きく盛り上がる雲、留まる雲。
そしてその向こう、青が徐々に黄金色に変わって行った。
耳がゴォッという音をたて、視界にヒビが入った、割れた。


澄み渡るように音がきこえ、透き通るように景色が見えた。


あがが、なにもわからぬ振りができなくなったね。