今、僕は家のトイレにいる。
正面には便器でなく、ドアー。
白い壁紙に対して、落ち着いた焦茶色。
印刷された木目は、本物の木目よりもむしろそこに似つかわしい。
持手の金具も統一をとろうと、落ち着いた焦茶色。くすんだ銅の色を再現してあるようだ。
木目をじっと睨めば、やはり印刷物だと確信させられるような、平坦。
何もない地面をじっと見ているような、そんな感じだ。
後ろには窓。
ヘンテツもない、アルミサッシ。置き去られたように半ば開いていて……、
「アッ、秋ノ夜風ダ。」
星空がぷかぷか浮かんでいた。
それは、月よりもむしろ星が明るい夜のこと。それはそれは、あざやかな夜のことだ。
今日の一曲
Early Stars / Jejune
名曲だデ