加爾基抜

サフランライス

ファブリケ

 

やかる、たまる

確かめ合う、見抜き合う

不気味さを共有する

顔を見合わせ、すぐに目を離す

 

古い古い歌をぼうやり、思い出していた、

夕方のお墓の、横の長椅子で並んで

とくに何も話さないで

とくに何もは話せないで

少しずつずれていく赤い日差しが、何か無性に羨ましくて

 

かるきぬき?

知らず知らず止めていた息が苦しくなる

いっそどうにでもなれ、とそのまま黙り込む

ちらつく光が知らない間にヘッドライトに変わり

頰を掠めて走り去る

削られていく寂しさに

ゆううつも少しずつ掠め取られて

自分のものはもう何もない

 

繰り返し歌われた歌はその像を硬くして

本当の姿はもう失われた

石の鞘になってまで、何を守る?

頑なになってまで何を見ていたい?

走り去る時間には何が映されていた?

また気が向いたら教えて欲しいよ

あのときを、もう、まだ、ずっと待ってる

被曝

不思議な光源に照らされて

強い日差しにあてられて

僕らは互いに光を発しながら

汗かくみたいに、舌が焼けるみたいに

こんな神話、読んだことがある

赤い光、横目に刺さる

(その話、終わりは一体どんなだっけ?)

 

互いにあてられて、あてられて

あてられてばかりで

恐怖を感じて、不安が滲んで

その水を手のひらで掬い上げて

いばらの冠のように頭にかぶせあい

いつまでもずっと被曝してる

互いに、ずっと

 

無駄に長い西日を

流し目で読み飛ばして

そんなことを見るまた別の目が

その水をやっぱり掬い上げて

洗礼みたいに浴びせてみたりさ

 

燃えるから、あてられて

不思議な光源に照らされて

鏡で反射して、喉を覗いて

消し炭になるまでこんばんはっつってさ